zinma Ⅲ





「おかげで2人は死にました。
あの戦場の怪我が原因で死んだ。

さらにあなた方はルミナ族も一人残らず皆殺しにした。

私は彼らの意志を継ぐ者です。

ずっとあなたに、お会いしたいと思っていました。」


そう言って青年はにっこりと笑う。

その顔を見てまたドープは恐怖に顔を歪める。



「やはり………お前はルミナ族の生き残りか……っ!」



しかしそれに青年は笑う。


「は、はは、私はルミナ族ではありませんよ。残念ながらね。」



それに次はダグラスが声を上げる。



「だ、だが君はルミナ族と同じ力を……っ。」


青年はくるっと振り向いて、薄く微笑む。



「私は諸事情によってこの力を与えられているんです。

特別に、ね。」


そして青年はダグラスを見て笑う。


「言ったでしょう?

私たちに関われば、こういう世界に生きなければならない。」


ダグラスがそれに目を細め、唇を噛む。

自分の無知を、恥じる。



青年はまたドープの方へと視線を戻す。





「……ですが、私がこの力を使えるようになったのは、カリアとファギヌの教えがあったからです。

言わば私は、あの2人の分身のようなものでして……」





どくん。




ダグラスは自分の脈をやたら近くに感じた。



どくん。



目の前の青年は、ダグラスに背を向けてたたずんでいる。

その背中からは、彼の表情はわからないのだが。



どくん。



殺気が。



どくん。






「……あの2人はあなたなんかよりも、遥かに優れた兵士だった。」


なぜか青年の声はさっきよりも静かに聞こえる。



どくん。




しかしそこでダグラスはあることに気がついた。



さっきから聞こえる鼓動は、自分のものではなかったのだ。


空気が振動しているのが見えそうなほど、大きな鼓動。




それは青年から放たれていた。




ドープもそれに気づいているのか、目を見開いて青年を見上げている。