「おかげで2人は死にました。
あの戦場の怪我が原因で死んだ。
さらにあなた方はルミナ族も一人残らず皆殺しにした。
私は彼らの意志を継ぐ者です。
ずっとあなたに、お会いしたいと思っていました。」
そう言って青年はにっこりと笑う。
その顔を見てまたドープは恐怖に顔を歪める。
「やはり………お前はルミナ族の生き残りか……っ!」
しかしそれに青年は笑う。
「は、はは、私はルミナ族ではありませんよ。残念ながらね。」
それに次はダグラスが声を上げる。
「だ、だが君はルミナ族と同じ力を……っ。」
青年はくるっと振り向いて、薄く微笑む。
「私は諸事情によってこの力を与えられているんです。
特別に、ね。」
そして青年はダグラスを見て笑う。
「言ったでしょう?
私たちに関われば、こういう世界に生きなければならない。」
ダグラスがそれに目を細め、唇を噛む。
自分の無知を、恥じる。
青年はまたドープの方へと視線を戻す。
「……ですが、私がこの力を使えるようになったのは、カリアとファギヌの教えがあったからです。
言わば私は、あの2人の分身のようなものでして……」
どくん。
ダグラスは自分の脈をやたら近くに感じた。
どくん。
目の前の青年は、ダグラスに背を向けてたたずんでいる。
その背中からは、彼の表情はわからないのだが。
どくん。
殺気が。
どくん。
「……あの2人はあなたなんかよりも、遥かに優れた兵士だった。」
なぜか青年の声はさっきよりも静かに聞こえる。
どくん。
しかしそこでダグラスはあることに気がついた。
さっきから聞こえる鼓動は、自分のものではなかったのだ。
空気が振動しているのが見えそうなほど、大きな鼓動。
それは青年から放たれていた。
ドープもそれに気づいているのか、目を見開いて青年を見上げている。



