出てくる言葉出てくる言葉、シギの知らないものばかりで会話に全くついていけないうえに、脳ももはや考えるのを止めていた。
レイシアはひとしきり老人と盛り上がると、老人にぺこりと頭を下げてなんなく門を通過した。
シギも老人に頭を下げて門をくぐると、何事もなかったかのように広い庭園を進んでいくレイシアを追った。
「師匠、あれも事前に準備されていたんですか?」
「え?ああ、いいえ。
ある程度の学問の知識はカリアから教わりましたし、個人的に天文学はその中でも好きで、独学で続けていたんですよ。
今回はたまたま運が良かったです。」
「母さんから………。
どれくらいの学問をやったんですか?」
シギの質問にレイシアは広い庭を歩きながら空を見上げ、指を折ながら独り言のようにつぶやいた。
「触りだけしかやっていませんが……
数学、化学、天文学、古文学、植物学、動物学、歴史学、地理学……」
「あ、もういいです。」
無限に続きそうな学問の数々にシギはもう呆れるしかなかった。
いったい母さんと父さんはどんな教育を師匠にしていたんだろうか。
以前師匠が母さんはとても怖かったと言っていたことを思い出して、少し震える。
「…………やっぱり、師匠には適いません。」
「あはは、私もカリアとファギヌには適いませんね。」
シギの考えを読み取るように言って笑うレイシアに、もうシギは言葉もなかった。



