「翼様にどうしても・・と言われて・・」



夏子さんに聞くと翼の仕業だったと判明する―



少し笑って、私の意識はまた暗闇に落とされた。





私はあの日美容室で、平岡さんにアドバイスされたように、髪をブローし、


あれから買い揃えた化粧品で、念入りにメイクをした。



目が特徴的―



私は美人のママに似た・・



こんなに綺麗にするのも、どこかで翼に会えたら・・



と思うから―・・



美容院でメイクが終わったときの嬉しそうな翼の顔を忘れなれなかったからだった。



家を出て、金村さんの待つ車庫まで、歩いていく。






「おはようございます。お嬢様・・今日はまた、一段とお綺麗にされてますね・・」



フフフと笑ってから、



金村さんは、車を出した。




黒塗りの高級外車・・




こんな生活―考えらんないよね。。



まだちょっと現実とは考えられないんだ―。



慣れない様子で車に乗り込む私を金村さんは優しく見守っている。



学校までは40分くらいの道のりだった・・・