うんっ・・・雨の音・・・




薄目を開けると、殺風景な白い天井。




ベット横には、点滴の液が、ぽたぽたと落ちて、チューブから、


私の腕へとつながれている。





― ンッ?体が・・動かない ―




ここは・・・!?



病院・・・・?






「・・・そっか、私、失敗したんだ。」




ついさっきまでの自分の記憶をたぐりよせた。





夜。




静かな梅雨の雨。




マンションの6階。





部屋のベランダに足を掛け、一気に飛び降りる。




勢いよく、下の大きなイチョウの木に、体ごとぶつかって、記憶を失った。








「私、死ねなかったんだ。・・・」