先生の実家へ向かう道中、先生が私と皐月それぞれを、それぞれに紹介してくれた。 皐月は19歳だった。 服装からして、既に社会人のようだ。 実家の近所に住む、先生の弟分らしい。 私は後部座席に座って、皐月の身なりをチラチラ見ていた。 黒髪の男子は、ちょっと目新しい。 うちの高校は校則がゆるいせいか、茶髪やら金髪で溢れているから。夏休み開けはもっと増えるだろう。 それに比べて皐月は、サラサラの黒髪。キチンとネクタイを締めていて、妙に爽やかだ。