「おー!皐月が来てくれたのか」 先生が手を振る先に、軽自動車に乗った男の人がいた。 「先生、ルリって名前だったっけ?」 「おいナツ、今更だぞ!ホレ、こっちこっち」 意外と女らしい名前だったことに驚きながら、サツキという男の車に乗り込んだ。 「皐月〜!久しぶりだなぁ。ネクタイなんか締めて大人っぽくなっちゃって〜」 石井ちゃん先生がバシバシと彼の左肩を叩きながら言った。 「瑠璃姉は変わんねぇな」 サツキという男が笑った。 私とさほど歳が離れていないように見えた。