ナツの夏




「ふぅ、間に合って良かった」




二人掛けの青いシートに、ギリギリ私達は転がりこんだ。




「先生、荷物多すぎ」


「あ、これ?昼ゴハン作って来たんだ!一緒に食べよう」




額を流れる汗を押さえながら、石井ちゃん先生は笑った。


もしかしたら、これを作っていて遅刻しかけたのかもしれない。


サランラップにくるまれた大きなおにぎりを手に取ると、妙に申し訳ない気持ちになってしまった。




「…美味しい…」




おにぎりを頬張って、私はその美味しさに驚いていた。


家で食べている米やコンビニのおにぎりとは比べものにならない。