ナツの夏




「悪かったナツ!寝坊しちゃったよ」


「しっかりしてくださいよ…新幹線の時間ギリギリですよ」


「わかってるって!とりあえず走ろう」




親子連れが目立つ東京駅を私達は駆け抜けた。


そう。


私は石井ちゃん先生の話に乗ってしまったのだ。




「先生、長野新幹線はこっちみたいですよ」




頼りにならない先生を引っ張って、私は今までに無い夏休みを迎えるのだ。