「城乃内くん、かっこよかったね」


その日の夜、女子寮の一室にて。


葵が発した言葉に、私は盛大にむせ込んだ。



「葵まで!!顔だけでしょ、アイツがかっこいいのは」


「違ーう!全てよ。す・べ・て」


語尾にハートマークがつきそうな勢いで葵は言う。


「身長高いし、髪型もキマってるし、ダークブラウンの落ち着いた色がこれまた似合ってて素敵でしょー。


どちらかというと色白だけど、軟弱って感じではなくて、実はしっかり鍛えてあるのもいい。


足長いし、服のセンスもいいし、あんだけ顔良し!頭良し!なのに全く気取らない所もまた素敵なのよねー。


あとは…」


「もういい。
わかったから、もういい」



放っておいたら延々と城乃内千里がいかに素敵かを語りそうな葵を止める。



「ええー。まだいっぱいあるのにー」


と口を尖らせる葵。


まったく…。可愛い女はどんな顔をしても可愛いから羨ましい。


結局、その後就寝時間を過ぎても、葵は城乃内の素敵ポイントについて熱く語り続けた。