彼がイケメンなのはよく分かった。


分かったからこの動悸をどうにかしてくれ!



大掃除の次の日、いまだに彼の笑顔が忘れられない私は何故か学校に近づくにつれて動悸が激しくなっていく奇病に悩まされていた。



「な、何かの病気かな。今日休んで病院行けは良かった…」



だからもう学校の下駄箱についた時点では、



心臓はとんでもない早さで動いていた。




「病院行こう、」



一人でそう呟いた瞬間、私の目に飛び込んで来たのは、



「あっ、」



他でもない今井くん。



ちょ、今井くんの笑顔と動悸でぐっちゃぐちゃになった頭にこれはきついよ神様!



私の"あ、"というのが聞こえたのか、彼が私の方を見る。



目が合って気が動転した私は何を思ったか、



「お、はよう…」



朝の挨拶をした。



「ああ、はよ」



爽やかに返してくれる今井くんて実はいい人なのかもしれない。



ほんのちょっぴり、そう思った。



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