『若恋』玲央の初恋【完】



「俺に近寄るな光線を目から出してました。ハンパなかったです」

「………」

思わず振り返る。



「ぶっは」「さくらちゃんもっと言ってやって!」

ふたりがさくらを煽る。



「用事とかあって声かけようにも、あんな顔されるんじゃ誰も近寄れません」

「………」

「過去に何があったか知りませんけど、いつでも他人を拒絶する態度を取るのはよくないです」

「………」



「さ、さくらちゃん、言い過ぎ」

鍵谷が慌ててさくらの肩を押さえた。
それでもさくらは止まらない。



「みんなもわたしも玲央さんに普通に接してほしいだけなんです」

「………」



「さくらちゃん…」


笑いが引っ込んでしまった玉木も困惑して立ち止まる。


「そう、だな」

「?」


いつだって俺の方からみんなを拒絶してたんだ。

自分が傷つかないように予防線張って自分のテリトリーに侵入することを拒んでたんだ。