青春途上中〈3〉

先に読んでしまった篠原は一瞬、目を細める。

「もう1つの誕生日花はモミジ。遠慮・自制・大切な思い出」

こんなに風の音が聞こえただろうか。紫煙の臭いだけが漂う。

「こいつに自制も遠慮って言葉を反対に教えたいぐらいだよ」

松橋は頭を抱えた。

「あ?俺だって自制してんだろ」

「何処が!?」

「鎖つけて閉じ込めてねぇじゃねぇか」