ｶﾞﾗｯ
ﾊﾟﾀﾝｯ
唯歌は一番落ち着く場所こと…図書館の中に入り、たった1つある個室のうちの中に入った。

「よぉ。またきたか。」
「!!櫻木先輩…！」
個室には誰もいないと思って入った唯歌は驚いた。

「………悠輝でいい。いつも言ってるだろう？」
櫻木先輩とは、私を玩具と命じた西岡祐夜（ﾆｼｵｶﾋﾛﾔ）の親友であり、櫻木悠輝（ｻｸﾗｷﾞﾊﾙｷ）という名前だ。

「あの……先輩…じゃなくて悠輝…？何でいつも図書館にいるんですか？」
「落ち着くから。」
悠輝はそう言い、唯歌をじーっと見てきた。

「…？あのー…」
「あのさぁ。よく泣かないよね。会話もしっかり返してくれるし…」
「え？」
唯歌は聞き返した。

「今までな、祐夜がいじめたやつにな、話しかけるとすごく怯えて涙ぐんだ目で見てきて。そのうえ、はいかいいえとしか返事を返してくれなかったんだよなぁ。」
と懐かしそうに語る悠輝。

唯歌はそれを聞いて言った。
「悠輝先輩はさ。私に何を求め、何をしてほしいんですか？」

悠輝はその質問には答えず、ﾌｯと笑い、
「また会おう。」
と言って図書館から出て行った。