「俺の話も聞いてよ、日和」 そう言われてよく礼生くんを見れば、額には汗が滲んでるし、なんか少し嬉しそうだし。 「日和は俺に嫌いになってって言ったけど、いやだから」 「なん…で…ぇ」 「嫌いになれないから」 礼生くんは少し微笑んで、あたしの涙を優しくはらうと。 「好きだからだよ、日和」 そう言って、あたしの唇に自分のそれを触れさせた。 「…………、え」 「顔、赤すぎ」 初めてこんなに笑顔の礼生くんを見たかも。 「また涙、止まった」