でも、この疲れは違う。 「楽しかったから」 「え?」 そう、楽しかったから。 今日、日和と1日過ごして。 こうやって出掛けて、楽しかったからだ。 日和が、笑うたびに高鳴る心臓の音に疲れても、そんなこと忘れてしまうほどに楽しかったのだ。 日和が笑って、俺の名前を呼ぶのが嬉しかった。 日和と手をつないで、日和の歩幅に合わせて歩くことに、心がふっと柔らかくなった。