さっきまで少し頬を膨らませ、拗ねるような表情をしていた日和も。

今は、ストロベリー味のソフトクリームを食べて、上機嫌に笑っていた。


俺も、チョコ味のソフトクリームを食べて、さっきまで感じていた顔の火照りを冷ます。




薄暗い映画館だった。

『…えへへ…』

睫毛に涙の粒を携えて、少し頬を染めて笑う日和に、変な動悸を起こして。

顔に全身の血と熱が集まった気がした。


ポーカーフェイスや、仏頂面だなんて言われる俺のことだ。

周りにはきっと赤面してた、なんてバレてない。

俺の表情が読める日和にも、バレないように手を引いた。