あーもうっ、泣かないのっ! そう自分に言い聞かせて、目を開けた時だった。 「きゃっ!」 立ち止まっていたらしい礼生くんの背中に思い切りぶつかってしまい、変な声が出た。 あぁもうっ、あたしのバカっ! 「……日和、」 「っ!」 突然、上から聞こえる声に驚きながら顔を上げれば。 「アイスでも食おう」 いつの間にかソフトクリーム屋さんの前の列に並んでいて。 「……あっつ」 そう呟く礼生くんの顔は、かすかに赤い気がした。