どうしよう、これは。 顔が茹で上がっちゃう…。 「泣くな」 礼生くんはそう言って微笑みながら、あたしの頭を撫でた。 案の定、そこからは湯気が出てきそうなくらい…。 「……えへへ」 真っ赤な顔を隠すように、あたしも笑った。 ガタッ! 突然、礼生くんは大きな音をたてて立ち上がり。 「手」 あたしの方を見ずに、手を差し出す。 薄暗いし、背中を眺めることしかできないあたしは、少し不安になってしまう。 「あ、あのっ、礼生くん…っ」