『もう私にはあなたしかいないのよ…離れたくないの』

『俺が君を幸せにするから』


スクリーンの中では、初めはいがみ合っていた男女が今は幸せそうに抱き合っている。



「…ぐす……」

「日和」

「ご、ごめんね…!」



あたしは礼生くんの方を見ずに、目をこすった。

涙を拭うために。



エンドロールが流れ、周りのお客さんはぞろぞろ帰り始めたのに、あたし達は動けない。

…だって、あたしが感涙中だから。


目をこする、こするけど、涙は次から次へと溢れてきて。