それに。 「どうしたの?」 「いや、何でも」 日和の雰囲気がいつもと違うからだろうか。 違和感がする。 主に、胸の辺りが。 心臓が早くなってる気もする。 けど、全然いやじゃない。 むしろ、心地いい。 「ほら」 「えっ?あの、礼生くん!?」 何となく、日和が危ない気がして。 迷子になったら困るとか、転んだら大変だとか。 そんな言い訳を頭に並べて。 「れ、礼生…くん…? あ、あの…、手…」 「ん?」 「な、何でもないデス!」