『……。』
生徒じゃない。
先生なのか?
あたしは普通に教室に入って
隅の椅子に座った。
その人はふでで
画板に描いてる。
凄い真剣な眼差しで
あたしに気付かない位だった。
この美術室の窓から見える景色は、
とてつもなく綺麗だった。
桜の大きい木があって
はらはら散ってる。
その人はそれを描いてるようだ。
あたしはその人から
目が話せなかった。
ワイシャツを腕捲りして
所々、絵の具がついてて
真剣な眼差しをしてる。
つい見とれてしまってた。
ぼーっと見ていると
その人がふでを置いて
ふぅ、と額を拭いた。
その瞬間
その人がこっちをみた。
『!?』
