「これで良しっと。」

私をグルッと一回転させて、納得がいったような表情を浮かべた。

「じゃ、お母さんご飯の支度に戻るから。」

「うん。ありがとう。」

両手を広げて、改めて自分の姿を見る。

やっぱりサイズが合わない気もするけど、思っていたより悪くないかな。

あとは…髪か。


♪ ♪ ♪

携帯を見ると、藍花からだった。

「もしもし。」

『そろそろ準備出来た?』

「え、まだ…。もうそんな時間?」

慌てて部屋に掛けている壁時計を見る。

まだ4時前だ。

『大和くんの家行く前に、私がちゃんとチェックしてあげるから。』

笠原くんの家

…そのことを考えるだけで鼓動が速くなる。