「俺を信じろ」
その言葉を聞いた瞬間、心の中でパリン…と何かが壊れた。
それを機に、数え切れないほどの大粒の涙が落ちていく。
「しゃ、ちょ…」
嬉しい。
本当なのね…?
「違うだろう、伊緒」
あなたの瞳には、何の濁りもなかった。
ただ純粋な気持ちが真っすぐに伝わってきたの。
「―――“創司”さんっ…」
信じてほしいと。
ただそれだけが伝わってきた。
勢いよく飛び込んできた私を、創司さんはしっかりと抱きしめた。
「馬鹿。勝手に既婚者にするな」
「ごめんなさいぃ…」
「俺はお前だけでいい」
そう言って、優しく優しく頭を撫でられ、私の涙腺は決壊してしまった。
そんな私を創司さんは、ずっと抱きしめてくれていた。

