【短編】社長の秘書サマ





そして、アイツのおかげで気分が良くなかった俺は、早速アイツを頂こうとすると。




『んん…何だか眠たいです〜』




そう言うや否や、アイツはヤる気満々になっていた俺を置いて、目を閉じた。


気持ちよさそうに寝息を立てるアイツの横で、俺はしばらく呆然としていたが、どうしようもなくなって、小さく舌打ちをした。


くそ。


生殺しか。


心の中で悪態をつき、アイツの寝顔を眺めた。


透き通るような白い肌は、酒のせいか、少し赤くなっていた。


時折眉を寄せ、小さく吐息を吐き出すコイツを見て、俺は笑う。


こっちの気も知らないで……




『…覚悟しておけよ、伊緒。後でたっぷり虐めてやる』




耳元でそう囁くと、アイツはぴくんと体を震わせた。


そんな様子にフッと笑うと、俺は寝ているアイツの額にキスをした。