うちは涙をこらえて、お舟をジッと見よった
お舟がうちの居ることに気づく
「あ、お琴ねーちゃん…。」
そういって、チョコチョコとうちに駆け寄る
「舟が店番するから、お琴ねーちゃんは休んどって。」
「え……、いや…あの。」
言葉に迷う
うちは少し黙ってから、お舟に向かって言った
「ううん。うちが店番する。」
「でも、お琴ねーちゃん…店番いやだったんじゃ…?」
「…ごめんね、お舟。うち…あんな酷いこと言って。店はうちがなんとかする。お舟は休んどって。」
「お琴ねーちゃん…」
うちを見つめて、お舟は小さく頷いた
正直、こんなこと言った自分は、不安でいっぱいだった。
自信だって無いし、勇気さえない。
これから、どうやって生きて行くのか…
そんなことすら、考えていなかった。
