「ーん…?」


うちは、手をピタリと止めた。



「……米。米がないっ!!!!」



「お琴ねーちゃん、どうするん?」


お舟が困った顔をして、うちを見る。



「どうするんって…。行くしかない。」



「どこに…?」



「おとっつぁん!!うち、買うもんあるから、外出てくるっ!!!」




うちは、おとっつぁんの返事を聞かずに、家を飛び出した。


米がないと、意味がない。



うちは、人混みの中を一生懸命、通り抜けた。





───「ふぅ…。」



うちは、大きな米俵を担いで、深くため息をついた。



結構、時間かかってしまった…



米に夢中で、つい妹とおとっつぁんをおいて、飛び出してきてしまった…




うちは、後から後悔することが多い。



そんなことを考えている間に、家についてた。




「今、帰ったよ~。」



でも、誰も返事をしない。


ただ、誰かの泣き声が聞こえてくるのだった….



「あれ?お舟、どしたん?………!!????」



うちの目には、信じられんものが映っとった。