「お舟…。」



このまま、お舟を置いていけない。



「あの、土方さん。うちに少し時間を下さい。」




「あ?なんでだ?」



「あいさつ…とかしたいんです。それに、お舟を…豆腐のオバちゃんに預けなあかんのです。」



「豆腐のオバちゃん…?」



「お琴ねーちゃん!!嫌や!!なんで舟が豆腐のオバちゃんのとこ行かんならんの!!??」



お舟が必死になって言う


うちはお舟の両腕を掴んで言った




「うちは、お舟の為に、すこしの間だけ、ここに泊まるんや。それまで、ちゃんと豆腐のオバちゃんのとこで待っといてな。」




「嫌…嫌や。そんなら死んだほうがマシや!!!!」




「お舟っっ!!!!!!!」



お舟が土方様の刀を取る



そして自分の腹に───。



「わがままはそこまでだ。お舟。」




土方様が止めて下さった



お舟の目から、大粒の涙が零れ落ちる



「うぅ…。お琴ねーちゃん。お琴ねーちゃん…!!」