───あれから一月たったころ。
「あ、お琴ねーちゃん!!これ、なぁに?」
「えっ?」
うちは、お舟が指差しとる方に目を移す
「ああ、それ?…それは、うちたち…『甲賀家』に代々伝わる、刀や。」
「かたな…?」
「そ。人を切ったりする…まあ、男の人が使うもんかな。すんごい大事なもんや。」
「へー…。じゃあ、おとっつぁんも使ってたの…?」
「ちょこっとだけね…。」
「…おかっつぁんは?」
「え?」
うちは、黙り込んだ
「……た、たぶん…な。」
「へぇ~っ!!!すっごいねぇ。おとっつぁんとおかっつぁん!!」
「あはは…。」
おかっつぁん…
実は、うちおかっつぁんの顔も見たことない
しゃべったこともない
おかっつぁんは、うちらを捨てて、旅に出たんや
でも、訳あって、お舟には秘密。
「舟もいつか、この刀を使って、戦いたい!!」
「あかん!!舟は、女やろ?刀なんか使えんよ。」
