オレはなんでここに立たされたのかわからずに空中に視線を泳がせ、ただ棒立ちしていた。 「そして…ここに立っているバムッチクンのような着こなしは…厳禁です!」 (こ、この女っ!) 「ベストのボタンは彼のように真ん中だけではなく全部掛けること。 カッターのソデはロールアップしないこと。またカッターの襟は開けないこと!」 「いけない着こなし見本」にされたオレは、必死でふてぶてしい表情をキープした。 (いつの間に見てやがったんだ…)