正直、痛い。


だけどこれを繰り返して、
そうして彼の元へ行けるなら。

それならこの痛みも、無駄じゃない。


もう一度、僕は壁に向かって走った。


何度も、何度も。

ぶつかって失敗してしまう。



十回目を過ぎた辺りだろうか。

一度休憩の為に、
また壁に寄りかかっていると、
ガラッと音を立てて顔の横の窓が開いた。