「先生・・・。ごめんなさいっ。本・・・汚してしまって・・・。ほんっとうにすみません。」

お願い許して・・・。お願い・・・。私、先生に嫌われたら、もう、本当に1人だよ。


・・・・

「あらー、見かけによらず寄らず結構派手な子なのねー。いいわ、いいわ。どうせ読む子いないし。」

よ、よか・・・ったあ・・・。

先生は、落書きされた本を、すっと取ってくれた。


「先生、ありが」
「それにっ」

私の言葉をさえぎり、大きな声で『それに』と突き出した。

「月井さんがやったわけではないんでしょう?分かるわよ。だって、月井さん、こんな事絶対にしない人だって知ってるわよ・・・。」