手に引っかかったのは、羽とミサンガ。



天使のだ。


「おっととと・・・。」

片手に持ったたくさんの本が崩れそうになった時、誰かが私を支えた。

「ありがとうございます。」

相手は小柄な少年。

その瞳に吸い込まれそうになった。

「あの・・・。ここの館長の、月井園乃さんですよね?」

「ええそうです。君何歳?今は学校の時間じゃない?」

サラサラでフワフワの髪、美しい瞳を持った少年。

私が苦労した時と同じ歳かな?
と思い、なに不自由無さそうな容姿にカチンと来た。


「14歳です。命の本を探しにきました。」

この歳にして命を考えるなんて、まあそこらへんは認めてあげよう。

「命の本はこっち。全部私がそろえたの。」

「そうなんですか。」