「気をつけて帰れよー」

「分かった!!」


翼は玄関で私と拓也を見送った。


「じゃ、拓也いこっか。」

「おう。」



少し歩いたとき翼が軽く叫んだ。


「姫奈!また遊ぼうなーー」



驚いて振り返ると翼が私に笑顔で手を振っていた。


「うん!遊ぼうねー。ばいばーい」


“また遊ぼうな”だって。

やばい、嬉しい・・。

思わずにやける。


拓也と2人でしばらく歩く。

ちょっと昼間より涼しくて風が気持ちい。


「・・・・・やっぱり――――。」

「ん?どうしたの?」



拓也は何かを言っていたけどよく聞こえなかった。


「・・なんでもねぇよ!」


そういって私の頭をクシャクシャと撫でた。


「・・・髪ぐちゃぐちゃになったじゃん!!」

「別にいいじゃん」

「良くないっ!」