私は今まで自分が本当に好きって思える物がなかった。
よくプロフとかでも"趣味"っていう欄があるけど、空欄か「なんだろ?」みたいな回答だったし。
今。
あの景色をこの目で。
そしてカメラで見たとき・・・。
私が今まで悩んでいた事の一つ一つがとても小さく思えたのだ。
なぜだかわからないけど、私の目からは涙がこぼれていた。
「山口・・・さん・・・?」
「城田・・・くん・・・。
本当ありがと。本当に・・・」
私は城田くんの腕の中で泣いていた。
これで2日連続。
上山先生・・・そして城田くん。
この2日を巡って、私の中学生ライフがどんな事になるのか・・・。
この時の私は知るよしもなかった。