「山口さん、まだ髪濡れてる。」
城田くんが私の頭にポンと手をのせた。
不覚にも顔が赤くなってしまった私は少しうつむいていた。
「あ!山口さん!!今!!!!!!」
「うわぁ!!!!!!!!!!!!!」
目の前には地平線の下に半分隠れた夕日がそこだけ明るく、なのに静かな暗さもあって・・・。
とにかく言い表す事が出来ないほど優雅で、壮大な景色が広がっていた。
カシャカシャッとカメラのシャッターをきる音が響く。
私は急に自分が恥ずかしくなってきた。
今までこんな景色と出会ったことも、出会おうとしたこともなかった。
城田くんは、自分でこんな景色を探して、カメラでとって・・・。
「なんか、すごぉく変だけど・・・
城田くんが大人に感じるな・・・。」
「えっ?山口さん急にどした?
この景色に頭やられただろ。」
なんて笑いながら言っている。