そして、やっと9階についた。

城田くんがそおっとドアを開けた。

「こっちこっち!」

屋上について前を見ると・・・

「うわぁ!!」

目の前にはオレンジ色の空が雲一つなく広がっていた。

「綺麗だろ?」

「うん!!すごいっ!こんなの初めて」

「あと2・3分でもっといいのが見れるよ!」

そういって、城田くんはバッグからゴソゴソとなにかを取り出している。

「なにしてんの?」

「あっ、これ。カメラ!
俺、カメラで風景撮んの趣味でさ。
だからよくここくるんだ。」


へぇ。城田くん、チャラそうに見えて実はこんな趣味あるんだ。

「すごいね。
うち、部活終わったら家帰ってすぐ塾とか行っちゃって、ぜんっぜんこんなふうな事なかったんだ。
だから嬉しい!
城田くんありがと!」

しばらく間が開いて、城田くんがやっと喋りだした。

「そ、そんな事言われると照れるし。」

2人で思い切り笑った。

本当にこんなの久しぶりだなぁ。