3階も上るともう息が上がって来た。
「はぁ、はぁっ。」
「大丈夫?山口さん。」
私の様子を察した城田くんが声を かけてくれた。
「ぅ、うん。でも・・・」
「あ、山口さん。」
聞き流されたぁ!!
「ここのビルの人に見つかるとヤベェし、頑張れよ!」
え、どういう事??
「なんかぁ。ここのビル、汚いけどでけぇじゃん。」
「うん。」
「なんか有名な企業のビルらしくて、企業秘密とかばれたら危ないから本当は入っちゃいけねーんだって。」
えぇー嘘でしょっ!!
聞いてないし。
「じゃあ戻った方がいいんじゃない?!」
「大丈夫だって!!ほら、話してるうちにもう5階まで来ちゃっただろ。」
本当だ・・・。
城田くん、実はいい人かも。