どれくらいたっただろうか。

私は無意識にその人の腕の中で泣いていた。

「あっ!ゴメンなさい!」

見るからに青いYシャツが濡れている。

「大丈夫だよ。少しは落ち着いたかな?」

「あ。はい。本当にありがとうございました。」

「そんな、気にしないで。じゃあ、またいつか。」

「あっ!待って・・・・!」

言ったときにはもう遅かった。

彼はもうその路地からいなくなっていた。

風のような人だったなぁ。

ぁ。塾行かなきゃ!

もぉ。ここどこーっ?

路地では、お酒の箱を店裏に出している人がいたから、その人に尋ねる事にした。