「やっほ~。広報部部長、伊藤 蘭先輩?
……ってどうしたん?顔真っ赤にして固まっちゃって?」
な、な何で?!
本当に人間がいるではないか!
って、それ以前に
「近い近い近いーーっっ!!今すぐ離れろっ!!」
なんで、イケメンいんの?
こいつは誰?
なんで、ここにいるの?
一瞬にして様々な疑問が爆発する。
それより……
「何で離れないんだよーっ!!」
ドカッ
うちの拳と共に鈍い音が響く。
そして、謎のイケメンは教室の床に崩れこんだ。
「いったぁ…酷いわぁ、蘭先輩。殴ることないやないか!」
「だ、だだだって 近かったから……。」
(息かかってる!息かかってるよー!)
とてもじゃないけど、男の子に馴れていないうちは平然でいられない。
そりゃ、拳の一発や二発くらい振り上げたくなるわっ!
「なぁ、蘭先輩。あんた、広報部の部長さんやんなぁ?」
「そうだけど…何で?」
なんでうちのこと知っているんだろう。そんな考えが一瞬頭の中をかすめたが、イケメンの次の一言でその考えは一気に飛んで行った。
「ん?なんでって そりゃあ入りたいからに決まってるやない。
そっかそっか。部長さん?んじゃ……
俺も今日から広報部っつーことで。」
「ほぇ?今 何って言った??」
「ほぇ?って…色気ないなぁ~。だから、俺 広報部に入るねん。ほな、よろしくな。」
