「そ。ならいいけど、今の蘭の顔すごかったよ?」
そういいながら、ケラケラと笑う絵美。
その笑顔を見ていると嘘をついたことに対する罪悪感を感じる。
でも、隣にいる秀だけは
「……。」
なにかに気付いたような顔をして
うちの目をじっと見つめて来た。
「…うちの顔、なんかついてんの?!」
その状態に耐えられなくなったうちは
軽くボケを交えながら目を逸らした。
「いや…もう、いいや。」
そう言って苦笑いをした秀の瞳は
どこか切なさも含んだ感じだった。
…気がするだけだったのかもしれない。
「ならよかった~!急に見つめてこないでよね~!」
そう言いながら秀の肩をバシバシ叩くうち。
「痛てぇ…。」
そう言う割には笑顔な秀。
「はいはい!お二人さん?うちの存在忘れてラブラブしないの!」
ニタニタしながら言う絵美。
そういえば、周りの目も気にせずに
なんちゅーとこをしてたんだ!うちは…。
「ら、ラブラブとかしてねぇっ!」
「なに誤解招くようなこと言ってんですか、絵美さん!」
二人して猛否定。
