――そして昼休み。
約束した通り屋上への階段を上りながら、
この辺りの人気が少ない理由を思い出していた。
屋上は学校一の不良のテリトリー。
群れる事を嫌い、いつも一人でいるらしい。
そいつは眼光鋭く、視線を向けられれば一般人は一たまりもない。
見た目通りに喧嘩も強く、父親はヤのつく自由業らしい。しかも偉い感じの。
そんな訳だから、屋上には普段、誰も近づかない。
なのに、そこに呼び出されるとは、まさか……
その不良の名を思い出せない事で、今俺の足取りは重い。
まさかの西川さんが不良だったとしたら……絡まれる心配は無くとも俺の心臓が持つか心配だ。
なんせ俺は立派に平凡な一般人。
けど、広瀬が一緒なんだから、どうにかなるかな?
あと数歩で、俺の手はドアへ届く事だろう。



