教室へ向かうために、廊下を歩いている。

すると、後方から軽快な足音が。


「先輩っ!」

ドスッという音と共に、
俺の背中に誰かがタックルをしかけてきた。

ダメージを与えた後も、
相手は退かずに俺に伸し掛かっている。

……重い。


「先輩っ!おはようございます!」

首だけで振り返り、後ろを見る。


「……誰っ?!」


そこにいたのは、美少女。

どこから見ても、美少女だ。

日に焼けた肌は健康的で、
同じく日に焼けたのか、少し色の薄い髪。

ショートカットの少女は、
小柄で、どうしてこんなに
重さでダメージを与えられるのかが不明。


「ひどいですよっ!
あたしです!純ですよぉ!」

全部の語尾に感嘆符が見えるようだ。


……率直に言えば、うるさい。

いくら美少女でも、
ちょっとなあ……声がでかいし。


そんな訳で、フラグ回避するため、
ちょっと冷たくあたってみた。