人間は誰でも恋をする。

叶うか叶わないか分からない恋を人間は必死でする。

人間は誰でも意地を張る。

素直に何も言えなくて自分を苦しめて相手を悲しませる。

人間を誰でも涙を流す。

辛いことで涙を流す人もいる。

悲しいことで涙を流す人もいる。

嬉しいことで涙を流す人もいる。

こんな色んな感情を全部君に見せてきた。

私の全てを雲巳に捧げた。

「ありがとう」それは最高の言葉だと思う。

何度言っても足りないくらい「ありがとう」何度も言うよ。

君を忘れないように・・・。


「まだかなー?」

ガチャ

「あっ、雲巳!」

「おはよう、美琴。」

「行こう。」

「うん。」


あたしと雲巳は同い年のお隣さん同士で同じ小学校。


赤ちゃんの頃からずっと一緒で、お母さん同士も仲の良いあたし達。


2人並んで歩くのは日課。


何も起こらないと思ってたこの日、あたしと雲巳は離れることになった


「ただいまー。」

「おかえり、美琴。」

「何?」

「美琴に話があるの。」

「ママ?」


家に帰ると、ママが気まずそうな顔をしていた


「実は・・・転校することになったの。」

「え・・・?」

「ごめんね、ずっと話せなくて。」

「転校ってどこに?学校変わったりしないよね!?」

「東京に引っ越す。」

「東京!?」

「本当にごめんね。」

「ずっとってことは前から決まってたんだよね?今頃になって言ってるってことはすぐに引っ越す・・・の?」

「・・・うん。」

「理由は?」

「パパの仕事の都合。」

「・・・・・・・・・分かった。」

「泣かないの?」

「どうして?」

「もしかしたらもう雲巳くんに会えないかもしれない。」

「・・・だけど、しょうがないじゃん。」

「ママより美琴の方が強いね。」

「あたしがママを引っ張らないと、ママ弱いから。」

「そうだね。」

「うん!ハハッ。」


もうすぐ卒業だったのに・・・。


あと3ヶ月で卒業だったのに・・・。


だけど、だだコネたってしょうがないこと。