「茜ちゃんどうしたの?」


「告白されちゃった」


「今回も?」


「うん、ダメ」



無精ひげを生やしたマスターはワイルドだけどどちらかといえば八百屋さんとかにも居そうなタイプで、いかにもどうしてこんなシックな感じのBARのマスターになったのか成り行きがわからない。


見た目とは逆の優しい雰囲気と口調のマスターはすごく話しやすくて、お酒を飲みにくると言うよりも相談とか話をするために通っているといった方が正しい。


毎回こんな愚痴とかの話ばかりでマスターはあまりいい気分はしないと思うけど吐き出さないと詰まってしまうから。

実際、一回倒れたし。



「茜ちゃんモテモテだねえ」


「うーん…」


「今のうちにいい人さがさないと」


「…マスター。人生にはね、モテ期が三度あるんだって」



あたしに今モテ期がきているなら何度目なのだろう。