「マスター、もう一杯」 「はいよー」 トンと、琥珀色のジョッキが目の前に置かれる。 それをしばらく眺めながら今日届いたメールを開いた。 『茜さんのことが好きです』 『付き合っていただきたい』 なんとなく予感はしていた。 だから、驚きはしないけどこのメールが酷く憎かった。 付き合う気はさらさらない。 それだから困る。