最低の恋を、してみました。

その日の放課後。



「はい、ありがと」



ナオが制服のスカートとルーズソックスを差し出した。



すぐに匂いを嗅ぎたくなったけれど、それでは変質者やからやめといた。



家やったら確実にやってるな。



「どういたしまして。化粧は、お母さんにメイク落とし借りてな」


「わかった。でもさ、文化祭終わってちょっと寂しいな」



なんとなくドキッとする。



「うん、そやな。せっかく楽しかったのに」


「それもそうやけど、午後からの授業また始まるやん」


「あー、そういう事ね」



2人で笑った。



写真だけじゃなくて、この笑顔自体があたしの宝物かもしれへんな。