最低の恋を、してみました。

『今から家行っていい?』



本日何十通目かのナオからのメール。



『いいわけないやん』


『上がらへんって。ちょっと渡したいものがあるねんて』



渡したいもの?



あー、そうか。



今日はホワイトデーやった。



ナオがお返しなんてくれると思ってなかった。



全く。



これっぽっちも。



『わかった。じゃぁ、家の近くまで出るわ。どの辺やったら場所わかる?』



あたしは、自分の家の周りで目印になりそうなものを考えた。



見つからへん。



周りを取り囲んでいるのは、山、山、山。



コンビニがあるけど、それは家から徒歩15分。



近所というには遠い。