本日、卒業式。



3年間お世話になった学校にさよならする日。



「あー、あたし泣くかもしれへん」



あたしは、並んで歩いてるナミにそう言った。



体育館に向かう途中。



これから、卒業式が始まる。



卒業式にはちゃんとした服装でのぞめという事で、あたしもナミも茶色い髪を黒いスプレーで染めさせられていた。



いっとき、学校の女子トイレは茶髪たちの巣窟と化していた。



ちょっと髪がベタベタする。



「うん、泣きそう。ハンカチ持って行かな」



ナミは髪を触りながら言った。



やっぱり気になるらしい。



「あー、ホンマやなぁ」



あたしは持っていたハンドタオルを握りしめた。