ヤバいと思ったあたしは、とりあえず階段に座って寝たフリ。

寝てますよ、アピールのために顔を上げといた。

バッチリ上げといた。


女の子は泣いていたのか知らないけど、いっぱいいっぱいだったのか、得にあたしの不思議なタヌキ寝入りを気にもせず下りて行った。

絶対バレると思ったけど、案外バレなかった。


「…良かった」

「何が」

「ひぃっ!!!」

立ち上がろうとした瞬間、声が聞こえてびっくりしたあたしは階段から落ちた。