「教室来る途中、麻美と先輩を見たから今多分話してると思う」 「だな」 温もりが伝わる中、あたしの心臓はドクン、ドクン、と音をたてる。 いつもより音が大きくて、リズムが早いのは、間違いなく森川くんが好きだから。 目の前の森川くんが、誰より好きだから。 「…ねぇ、森川くん」